全国各地の役所などで見つかった1万円札は11日、計約400枚に上った。北海道から沖縄県まで、現金を置いて回る謎の行動。封筒には「報謝」「積善の徳」など宗教的な言葉も並ぶ。誰が、何のために−。背景を専門家が推測した。 「遺産などを手にした50−60代の男性。日本の因習文化にひたる迷信家では」と推定するのは関西学院大の野田正彰教授(精神病理学)。社会評論家の赤塚行雄さんも「会社を退職し生活に余裕がある人物」と、年配者の行動との見方だ。 昨年9月に静岡市内の霊園で発見された手紙と、今月5日に埼玉県内で見つかった手紙は筆跡や文面がよく似ており、同一人物が置いた可能性が高い。 では、なぜ現金を主に役所に置いたのか。 「中央ではなく地方の公務員に不満があり、『しっかりしてほしい』『社会を良くしたい』と思い付いたのではないか。郵送だと話題にならず目的が達せられないので、置いたのではないか」と野田教授。 宗教評論家の丸山照雄さんも「公務員に対して不信感があり、それを正してくれという気持ちがあるのかもしれない」と指摘する。 2007/07/11 12:42 【共同通信】